お線香をあげるとき、何本のお線香に火をつけますか?1本?2本?
また、そのお線香は立てますか?寝かせておきますか?
折る?折らない?
改めて考えてみると、1本だけあげる人や折る人、寝かせて置く人さまざまいると思います。
筆者自身はいままで、間をとって2本を真ん中に立たせてお線香をあげていました。特に何も言われたことがなかったので、そのまま直す機会も正しい作法を知ることもなく今まで生きてきました。
いったいどのお線香の作法が正しいのでしょうか?
それには日本宗派の違いが深く関係していました。
目次
1.日本にはどれくらいの宗派があるの?
日本には大きく分けて7つの宗派があります。
その7つの宗派によりさまざまなお線香の上げ方・考えがあるようです。
・浄土真宗系(浄土真宗本願寺、真宗大谷派)
・浄土宗
・日蓮宗
・真言宗
・曹洞宗
・天台宗
・臨済宗
この中でも浄土真宗は日本で一番多い宗派となりますので、必然的にお線香の上げ方も浄土真宗のやり方が多いのではないでしょうか。
2.お線香の作法宗派別まとめ表
お線香の上げ方を宗派別にまとめてみたので、参考にしてください。
浄土真宗系
1本、折って寝かせる
浄土宗
1~3本、立たせる又は寝かせる
日蓮宗
1~3本、立たせる
真言宗
3本、香炉の中心に立てる
曹洞宗
1本、香炉の中心に立てる
天台宗
決まりなし
臨済宗
決まりなし
3.なぜ宗派によって本数の違いがある?
お線香を3本あげる宗派には、
「身・口・心」
「仏・教え・僧侶」
の三宝をお線香をあげることにより、供養する意味があり
「貧・怒・痴」
で表す人間の三毒の心をお線香をあげることで追い払うと考えられています。
1本のお線香をあげる宗派は、その1本のお線香に故人への思いを込めてお参りしましょう、と考えられています。
また、
天台宗や臨済宗のように決まりのない宗派では、個人個人がそれぞれのやり方でご先祖様や故人への思いを込めてお線香をあげることができます。
お線香の作法についてはこちら→お線香のNG作法集
4.まとめ
お線香ひとつあげることにもそれぞれの宗派の思想・考えがあり、とても奥が深いものです。
しかしながら、どの宗派も変わらず大切にしていることはお線香をあげることでのご先祖様、故人へのお参りの気持ちを一番大切にしていることでした。
お線香をあげる機会がある際には、お線香をあげる前にご家族の方に宗派を聞いて、その宗派に合ったお線香の作法をするとご先祖様も故人も喜んでくれるかもしれませんね。