実は同じ仲間!?お線香とお香の違いについて

お線香とお香って同じ香に火をつけて、煙をだすものなのになぜ、お香は家でリラックスした雰囲気で香り楽しむ、楽しむために使いますが、お線香は仏事ごとにしか使われないのでしょうか。
お線香とお香の関係と変化の移り変わりには、お香と人間の歴史が深く関係していました。

1.お線香とは

お線香は、お寺・お墓・仏壇で焚くことによって、周囲を清浄にする効果があるといわれ、ご先祖様に手をあわせる前の私たちの心を鎮め清めてくれるといわれています。
またお経には、お線香の香りは仏様の食べ物と記されているので、家庭でもお線香の香りをご先祖様への供養のお供えとして焚きます。

2.お香とは

お香は3000年もの前に生まれ、香りの強い樹脂に火をつけその煙からでる香りを人々が楽しんだのが始まりでした。主に、防腐・防臭として使われ、現在では香りを楽しむものとして家庭でよく使われています。

3.お線香とお香の歴史

3000年もの昔にお香が生まれてから、香水のような用途で使われてきたお香ですが(古代の時代は衛生面が良くなかったので、人間の腐敗臭や汚物の匂いをごまかすためにお香が使われることがおおかった)、シルクロードによって外国間の貿易が盛んになると、日本にもお香の文化が流入してきました。
日本のお香の始まりは、聖徳太子の時代、595年に淡路島に香木「沈香」が漂着したことにより始まりました。
これが日本でのお香文化の始まりです。
その後、香りを楽しむ文化が急速に普及していったのです。
しかし、もともと香木がとても高級品だったため、なかなか一般庶民には手がだせなかったお香は、お金持ちの貴族ぐらいしか買うことができませんでした。
また、寺院で使われる際も、お坊さんたちがお経を読むときにお焼香をたくのにあまりにも燃焼時間が短すぎて、お経を唱える間に何度も何度もお香をたくはめになってしまいお経に集中できず悩みのタネでありました。
それから16世紀後半、竹を芯とした竹芯香と呼ばれる線香の素となるものが中国と台湾から輸入されました。
これが現代のお線香ができるきっかけとなったのです。
竹芯香は、スティック型のお香で、その名の通り中の芯の部分に竹が入っており、それを覆うようにして香が練り上げられています。棒状なので燃焼時間も長く、香木もそれほど使わず安くすみます。
しかしこの竹芯香、中の竹が燃える際に強烈な臭いを発してしまい、屋内で使うにはむいてないということですぐに人気がなくなります。
そのうちに誰かが、「じゃあ、中の竹を除いて香だけで練り上げればいいんじゃないか?」
との発明により、現代のお線香のカタチが出来上がりました。
少量の香木で長い燃焼時間を持つお線香は、格安で買うことができ一般庶民に瞬く間に普及したのでした。

4.お線香とお香の違いって?

もともとお香から生まれたお線香は、お坊さんがお経を唱えるために燃焼時間の長いものが欲しいというお坊さんの要望からできたものだからか、現在でもお線香は仏事ごとによく使われていますね。
決してお線香は仏事ごとでしか使ってはいけない、という原則な決まりがあるわけではないので、「今日は身を清めたい気分だ」なんて時はお線香を使ってもなんら問題はありません。
したがって、お線香は仏事用に、お香はお家で香りを楽しむ用として使われるのが現代では一般的なのではないでしょうか。

※ちなみに、お葬式で使われるお焼香はお線香ではなく、お香です。お葬式では、もともと仏事でお香が使われていた習わしが残っているようです。

5.まとめ

お香とお線香に違原則な違いは実はないと言っても、友達の家に遊びに行ったときに、仏壇もないのにお線香を焚いてる友達がいたらちょっとぎょっとするかもしれません笑
お香から生まれたお線香はいわば親子みたいな関係で、これと言った違いというものは実質ないのですが、お線香を仏事用で使う今の日本では、お線香は仏事用でお香はお家でリラックスしたいときに使うようです。